平安貴族は、月に数回しか風呂に入らない、また髪を1,2か月に一回しか洗わない。
極めて不衛生で臭かったとみられている。
なぜか、理由は朝起きるとすぐ、今日一日の行動の吉兆を占いによって判断し、すべての行動を決めるので風呂や洗髪などの日も限られるのである。
第38回 平安宮中 驚く奇妙な習慣
1)平安貴族の一日(①ー⑦)
平安時代とは、794年から1185年鎌倉幕府が成立するまでの時代を指す。
平安京で暮らす人々の朝はととても早く、一日の始まりは御所の扉が開く午前3時の合図である開諸門鼓(かいしょもんこ)の音で始まる。
平安貴族の暮らしは、生活の中に占いが組み込まれており大いに依存していた。なお、後述のように庶民は少し違っていた。
①目覚めると、先ず「占い」
*星の名前を7回唱える。
*暦と鏡に映った自分の顔をみて今日一日の吉兆を判断する。
②昨日の出来事を中心に日記を書く。
③朝食や歯磨きを済ませる。
④午前6時にはメインの扉が開く合図が聞こえてくるので、出勤する。
⑤自身の職場で4時間ほど仕事:事務仕事や天体のチェックや占いな:
⑥お昼前には帰宅する。
⑦帰宅後、自分の好きな趣味の遊び中心の自由時間を過ごす。
*和歌を詠み、すごろくで楽しみ、蹴鞠で体を動かす。
*遊びは大変重要であった。教養を身につけるため貴族としてとても大切な要素であり、平安貴族の社交界では、遊びを知らない人間は一切評価されず、和歌も上手に詠めない人間は結婚相手も見つからないと言われている。
2)占いの歴史
*日本では古墳時代以前から既に占いが行われていたと言われている。
*鹿の肩甲骨を焼いてそのひびの入り方で占う中国伝来の占いをしていた。
*8世紀の平安時代には日本独自に発展した陰陽師の占いが誕生する。影響力は安倍晴明の影響で強くなるが、その後衰退。しかし、政治や戦の方針を決める重要な要素として扱われてきた。
*江戸時代中期には、四柱推命が中国から伝わる。後、科学が発展しにエンタメの要素が強くなり、庶民の恋愛や仕事相談に使われるようになった。
<陰陽師とは>
*陰陽師とは、日本古来律令制の下での官職の一つであり、神意を占い人間が口に出して予言する占いの一種、占筮(せんぜい)及び地相などを担当する者として配置された者のことである。
*中・近世になると神官の一種で民間で祈祷、占術、厄祓いや怨霊退治などを行ない、学術と占いを両立しさまざまな現象を検証・解決する立場だったと言える。
*平安時代には、天才陰陽師 安倍晴明が多くの貴族から信頼を得ていた。
3)平安貴族の奇妙な習慣 占いにより行動を決める
①占いの結果、運勢が悪いと出た場合は、公休扱いで仕事を休み一日家の中で過ごす。
②占いで良いとされた日にしか風呂に入らなかった。
二〜三日に一回程度体を洗っていたようで、清潔だったとはとても言い難く、皮膚病に悩まされていたと考えられている。湯舟はなくサウナのような蒸し風呂で、浮き出た垢などを拭き取っていた。なお、お風呂に近いものでお湯を汲んで浴びるという行水方式もあった。。
③髪を洗うのは風呂とは別で、月に一度か二度で、占いで縁起の良い日やだけだった。
④占いによって行く方向も決められ、外出できない期間もあった。
物忌み(人に会わず謹慎する)期間や方違え(方角が悪ければ一旦別の方向に向かい、目的地が悪い方角にならないようにする)の習慣。
⑤爪切りも占いでよしとされている日だけだった。
⑥その他の奇妙な習慣
*人前で頭を晒す行為は非礼とされていた。下着(パンツ)を脱ぐより恥ずかしい行為だった。 成人男性は、貴族から庶民まで頭に烏帽子や冠といった帽子の類をかぶっていた。
烏帽子を被らない男性は、世俗を離れた僧侶が坊主頭を人前に晒していた。 庶民は萎烏帽子をかぶっていた。
4)平安庶民の生活
面白いことに、庶民は貴族に比べると比較的綺麗だったようである。
*庶民は貴族ほど日々の生活を占いに左右されることはなく、比較的頻繁に公共の蒸し風呂を使用していた。
*水で体の汚れを落とすということも、庶民の中ではわりと浸透していたと言われている。
慣習にとらわれない生き方は現代に通じるものがある。
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