日本を開国に導いたペリー、ハリスは日本人に尊敬の念をもっていた

人生100年時代
Beautiful colorful mixed flower bouquet

第27回は、日本人の素晴らしさの続編として江戸末期 日本に開国を迫ったペリー、ハリスの日本及び日本人評について紹介いたします。ペリー、ハリスは、日本が素晴らしい国であり、国民も民度が高いことに驚き、開国する必要がないと感じたようです。

第27回 日本人のすばらしさー9(江戸末期 ペリー、ハリス)

参照

マシュー・カルブレイス・ペリー 

ペリー、マシュー・C.[著]木原悦子[訳]/童門 冬二[解説]

ペリー提督日本遠征記(角川ソフィア文庫)M.C.ペリー(著)、F・C・ホークス(編集他)、宮崎壽子(翻訳)

タウンゼント・ハリス

ハリス『日本滞在記』 坂田精一訳 岩波文庫上中下

『ハリス伝 日本の扉を開いた男』(カール・クロウ著、田坂長次郎訳)東洋文庫

<ペリー>

1794年にロードアイランド州で生まれた。アメリカは、清との貿易や捕鯨の中継地として日本を開国させようと考え、1853(嘉永6)年、アメリカ大統領フィルモアの国書を携えた東インド艦隊司令長官のペリーを日本に派遣した。4隻の軍艦からなるいわゆる「黒船」の艦隊を編成して、江戸湾の入り口で日本の喉元にあたる浦賀沖に姿を現した。この時は、幕府は何とか追い返したが幕府は、広く大名たちに意見を聞いたが、開国への賛成と反対でまとまらないまま、 1854年に再び7隻で来航したペリーの強い態度に押され、 日米和親条約を結んだ。 これによって約215年にわたる鎖国時代に終止符が打たれた。

<ハリス>

1804年ニューヨーク州に生まれる。

アメリカの外交官。 日米和親条約に基づき、1856(安政3)年、初代駐日総領事として下田に着任。日本を平和的に開国させ、諸外国の専制的介入を防いでアメリカの貿易権益の確保を目的に下田条約を締結、幕府に通商開始を迫り、1858(安政5)年日米修好通商条約の調印を行った。

<日本人評>

[ペリー]

①日本の全体の印象

*艦載ボートが測量から帰ってくると、士官や部下たちは日本人の親切な気質や国土の美しさに有頂天になっていた。

*実際どこを見ても、これほど絵のように美しい景色はないと言えるほどで、艦上にいる者さえ、周囲の海岸を眺めて飽きることがなかった。

*高度に耕された土地がいたるところにあり、あらゆる草木は深く豊かな緑をたたえている。無数のつつましい村々が入り江の奥の林に見え隠れして、それが湾の単調さを破り、小川が丘陵の緑の斜面を流れ落ちて静かに草地をうねる。それらすべてが一つに調和して、美しく、豊かで幸福な景観を作り出す。

①女の地位

キリスト教教義の影響下にある諸国におけると同様な高さではないことは確かだが、日本の母、妻、娘は、中国の女のように家畜でも家内奴隷でもなく、トルコのハーレムにおける女のように浮気な淫楽のために買い入れられたものでもない。女が伴侶と認められていて、一夫多妻制が存在しないという事実は、日本があらゆる東洋諸国民のうちで、最も道徳的であり、洗練されている国民であるという勝れた特性を現す著しい特徴である。

②女性の品位

既婚女性が常に厭わしい歯黒をしていることを除けば、日本女性の容姿は悪くない。若い娘はよい姿をして、どちらかといえば美しく、立ち振る舞いは大いに活発であり、自主的である。それは、彼女たちが比較的高い尊敬を受けているために生ずる品位の自覚から来るものである。日常相互の友人同士、家族同士の交際には、女性も加わるのであって、相互の訪問、茶会は、合衆国におけると同じように日本でも盛んに行われている

③工業レベル

実用的、機械的技術において、日本人は非常な精巧さと緻密さを示している。そして彼等の道具の粗末さ、機械に対する知識の不完全さを考慮するとき、彼等の手工業上の技術の完全なことはすばらしいもののようである。日本の手工業者は世界におけるいかなる手工業者にも劣らず熟練して精通しており、国民の発明力をもっと自由に発達させるならば、日本人は最も成功している工業国民にいつまでも劣ってはいない。彼等はまもなく最も発達した国々の水準まで達するだろう。日本人が一度文明世界の過去及び現在の技能を所有したならば、強力な競争者として、将来の機械工業の成功を目指す競争に加わるだろう

④日本人は極めて勤勉で器用な人民であって、業種によっては世界最高である。数学、力学及び三角法を知っている。非常に優れた自国の地図を作っているし時計を作り、そこに発明の才を示している。日本を遅れた弱い相手とみずに、むしろ対等であるとみて、そのかわり断固たる態度を貫くことを決意した。

[ハリス]

ハリスは次の言葉を残している。日本こそは、あらゆる冒険ずきの旅行者の最後の目標である

①彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。

②一見したところ、富者も貧者もない-これが恐らく人民の本当の幸福の姿というものだろう。

③時として、日本を開国して外国の影響をうけさせることが、果してこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であるか、どうか、疑わしくなる。

④質素と正直の黄金時代を、いずれの他の国におけるよりも、より多く日本において見出す。生命と財産の安全、全般の人々の質素と満足とは、現在の日本の顕著な姿であるように思われる。

⑤日本人は至って欲望の少ない国民である。

日本人のように飲食や衣服について、ほんとうに倹約で簡素な人間が、世界のどこにもあることを知らない。宝石は何人にも見うけられない。黄金は主として、彼らの刀剣の飾りに用いられている。着物の色は黒か灰色である。貴人のものだけが絹布で、その他すべての者の布は木綿である。 

⑥下田では貧困で、住民はいずれも豊かでなく、ただ生活するだけで精いっぱいで、装飾的なものに目をむける余裕がないからである。それでも人々は楽しく暮しており、食べたいだけ食べ、着物にも困ってはいない。それに、家屋は清潔で、日当りもよくて気持がよい。世界の如何なる地方においても、労働者の社会で下田におけるよりもよい生活を送っているところはあるまい。

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