第18回　日本人の平均寿命

長寿だった日本人

実は、長生きした人は、長生きしたんです。

魏志倭人伝に倭人は長寿で或いは百歳、或いは八、九十歳の者もいると書かれている。

Wikipediaに古代～近代の高齢で死去した著名人の年齢が出ています（ここでは割愛）

１）まず初めに各時代の平均寿命を見てみましょう。（「寿命図鑑」を参考）

なんと昔は10代20代が平均寿命だった。江戸時代ですら30代で、明治、大正ですら40代です。

ただし、骨の状態から年齢を推定する研究が進み、各時代例えば縄文人30歳説： https://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/jomonlifespan.html　（茅野市尖石縄文考古館）や、成人してからの寿命は以外と長く、65歳を超える人骨も3割程度あった（1967　小林和正「出土人骨による日本縄文時代人の寿命の推定」『人口問題研究』№.102）との研究報告があり、値は完全に正確ではない。

「平均寿命」でみると昔の人は、短命であるかのように錯覚しますが、必ずしもそうではありません。

平均寿命とは「この年に亡くなった人の平均年齢」ではありません。「0歳児の平均余命」という意味です。つまり昔は乳幼児の死亡率が高かったのです。江戸時代の0歳の平均余命となると、男性52.4歳、女性50.6歳（長澤克重氏）だそうです。

江戸時代、皆30代で死ぬというのは違うんですね。

近年、医学の発達や栄養の充実により乳幼児の死亡率が飛躍的に改善されたことにより平均寿命が延びたわけです。

2022年日本男子82歳、日本女性88歳でともに世界１位です（世界人口白書）

２）戦国武将の死亡年齢

Ⅰ）戦国武将の平均寿命は「62歳」と言われています

最も長生きした人は、あまり有名ではありませんが、108歳まで生きた「滝川益氏」、106歳まで生きた「木幡高清」が多くの資料に出てきます

その他、長生きした人は、

北条幻庵（97）、龍造寺家兼（93）、松平忠輝（92）、真田信之（91）、

北条早雲（88）、島津義弘（85）、尼子経久（84）、宇喜多秀家（83）、細川忠興（83）、

松平定行（82）、毛利元就（75）

因みに豊臣秀吉(62)、徳川家康（75）、織田信長（49：本能寺の変で死去）

Ⅱ）戦国時代の女性の平均寿命は「59歳」と言われています

綾御前(85)：長尾政景の妻、上杉謙信の妹

阿茶局(81) 徳川家康側室、交渉能力を高く買われた

大政所(79)：豊臣秀吉の母

北政所(75)：豊臣秀吉の正室（ねね）因みに豊臣秀吉の側室淀殿（茶々）は（48）

濃姫(77)：織田信長の正室斎藤道三の娘

京極マリア(76)：浅井長政の姉、戦国時代をキリスト教の布教活動にその生涯を捧げた

３)徳川将軍の死亡年齢

初代将軍の①家康から15代将軍の⑮慶喜まで以下の通りです

①家康73,②秀忠52,③家光46,④家綱38,⑤綱吉62,⑥家宣50,⑦家継8,⑧吉宗66,⑨家重49,⑩家治49,⑪家斉67,⑫家慶66,⑬家定34,⑭家茂20,⑮慶喜76

最も長寿なのは、慶喜で2位が家康です

現代から見ると短命の人もいるが、この時代の医学、衛生環境を考えると総じて長命ですね。

なお、死因は癌、脳卒中、インフルエンザ等様々ですが、家康は、胃がんと言われています

４）江戸時代のその他の著名人

葛飾北斎は90才、杉田玄白85才、貝原益軒85才、滝沢馬琴82才、上田秋成76才、良寛74才、伊能忠敬74才、徳川光圀73才、近松門左衛門72才などとなっています。

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