人生観が変わるような、大学教員として人間・若人の無限の能力の発現を知る

人生100年時代

自己紹介
時代人生感が変わった出来事
No.2 幼少~中学俄然勉強に火をつけた何か?
No3 高校学校をくそと思って自分で猛勉強
No4 京大自由を謳歌
No.5 東大大学院東大エリート意識
No6 会社ブラックな時代
No.7 教員-1姑息な学長
No.8 教員-2人間・若人の無限の能力
No.9 教員-3教員・研究者の狭量



 自己紹介-8 (人間・若人の無限の能力:教員生活の貴重な経験)
 
短大から4年生大学の転籍は「栄転」なわけだが、この過程で歳で退職した人を除いて、スムーズに移行できた人は少なかった。学位を保持していないため、職位を1ランク下げられた人、移行先の同じ部門であまり良く思われてなかった人や「元学長」に睨まれてた人は、移行先の学長付というような不安定な、具体的には研究室がないというような状態に置かれた。自分は、前ブログに書いたが、嫌なことはあったが何とか移行できた。

<大学での教育>
この大学では、約10年間教授として在籍したが、教育に加え研究室と研究費が与えられ、総じて言うと非常に充実した生活を送ることができた。
機械工学科所属で、教員(教授、准教授、講師)約10人で1学年120人、4学年500人程度を担当する。
まず、学生について述べる。
学生は、これまであまり勉強をしてきておらず、学力は高くはなかったが、真面目な人間が多くこれは有難かった。ただ、勉強の習慣がないので、授業中じっとすわっていることができず、私語、スマホ遊び、睡眠は普通であった。私は、人に迷惑をかけなければ教室で何をしようと自己責任で構わないと思っていたが、私語は厳しく注意した。


<研究指導>

4年生の研究指導では、非常に良い教訓を得た。
10人程度が1研究室に配属され、当研究室では、4つほどのテーマを複数学生によって担当させた。なぜかというと、就職活動で欠席するものや、不真面目なものがいて、1人では無理なのである。勿論そんなに多くのテーマがないことも理由である。
私の移籍1年目に、テーマを学生の希望によって振り分けたが、機械工学の主流のテーマ
(流体の研究)には希望がなく、機械工学とは少し異なるテーマ(ドジョウを用いた地震の研究)に人気が集まって困ってしまった。
そこで、飴をぶら下げた。流体の研究に従事する者は、ハワイ(学会)に連れて行ってやるとした。2人が応募した。学会は8月頃だったと思うが、もちろん学生がやった研究などなく、私が関係しているテーマを発表させることにした。学会講演会に自分、学生2人の3テーマの申し込みをした。
これからが大変だった。ただ、結論を先に言うと、学生は英語がほとんどできない状態から始まったが、結果的にハワイ学会で見事に発表できたのである。指導・訓練の工程を以下に示す。
①まず、英語論文を2人に渡し勉強させるようにした
②自分が作った発表用のパワーポイントで英語で発表する練習を1人50回以上実施した。一回30分以上かかったと思う。原稿を見ず、投影されたパワーポイントで説明できるまで完全に暗記する。発音、イントネーションは完璧に近く指導した。
最初は、めちゃくちゃなのだが、だんだん向上する。最後は、本当に自信を持って発表できるようになった。

<ハワイ学会での発表>
ハワイでの発表当日も2人とも完璧だった。質疑応答は、良くはなかったが、普通の研究者でも同様である。
学会に参加した人種は、大学の先生・博士、研究所、企業の研究者達で、学部4年生は当然いない。それが、完璧に発表したのだから、大変びっくりされ、大学ではどんな教育をしているのかといろんな人から質問された。2日目は学会に出ないで遊びに行って来いと言ってやった。


<素晴らしい教訓>
以上から分かったことは、人間必死になったら、大変な能力が発現されるということである。つまり、英語がほとんどできない、多人数の前で発表したことがないという自分の経験下で与えられた命題は、学生にとって生きるか死ぬかに相当したと思う。
あとで、学生が就職後の苦労を話してくれたが、この時のことを考えると屁でもないと言っていた。これから5、6年7人程度同じ指導をし、皆同様に完璧にやり遂げた。初めのはフロックではないのである。
これが、本当の教育=生きる力を与える ではないだろうか。この経験は、私の人生観を変えた。学力が低くても、いままで勉強していないだけで何にも卑下することはないのである。
新入生は、将来の目標を聞かれて、なかったら怒られたり、また英語などの学力が低いため馬鹿にされたりということが多かった。私はこれは間違いだと思う。たった18年しか生きていない人間が将来など明確に語れるわけがないし、学力が低いのは知識の詰め込み作業の環境になかっただけである。
上記のハワイ発表の事例は、人間、若者の素晴らしさを象徴している現象である

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